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ドラマケーション実施例

ドラマケーションは、ドラマとエデュケーション・コミュニケーションを合わせた造語です。文部科学省の委託事業として、平成17年度より3年間、研究開発されたもので、俳優の訓練の中でも「遊び」の要素の多く含まれたメニューを選択開発し、自己認知に始まるコミュニケーション力・表現力を高めるための体感型メソッドです。

東京都教育庁の都立高校教育支援コーディネーター事業においては、各学校の意向に沿った形で、ドラマケーションの組み立てを変容させています。

◎ドラマケーションを実施するに先立ち、自分の「好き・嫌い」を列記していただくアンケートをとらせてもらっています。これは、コミュニケーショを成立させるのには、まず自分とはどういう人間なのかある程度知っていることが重要だからです。(アンケートはこちら)

東京都立飛鳥高等学校 7月8日実施

対象:2年生全クラス(6クラス、240名)

ドラマケーション実施講師6名・助手3名(1名で約40名を担当)

時間:10:30~12:10

学校側要望:演劇祭に役立つドラマケーションをお願いします。


各クラスによって多少要望が異なっていたが、要望にこたえつつ「人前で表現できる心と身体の準備」に重点を置き、ドラマケーションを実施しました。多くの生徒は、人前での表現、特に一人で人前に立つことに恥じらいと緊張からくる不安を持っているため、まず心と身体の解放(リラックス)を十分に行い、次に相手との関係作りのメニューに移ります。十分にリラックスできたころを見計らって、簡単な言葉や身体を使った表現のメニューへとすすんでいきます。

ドラマケーションは、参加者の雰囲気や状態を見ながらメニューを組み立てていきますので、各クラスの担当講師によって、実施内容も異なってきます。おとなしく消極的なクラスだと、身体を発散させたり、積極的に相手に関わるメニューを組み込みます。また、元気がありすぎ注意力散漫なクラスには、集中力を必要とするメニューを多めにします。いずれにしても「どこでも・だれでも・易しく・楽しく」をモットーに、表現することの楽しさを感じていただければと思います。ですからどんなっ表現もOKです。上手い下手はありません。



「2つの台本を融合させて、劇を作りたいのですがどうすれば良いですか」という要望のクラスには、「ポケモン」の脚本家で演劇の演出家でもある講師をお願いしました。


「大きい声が出るようになりたい」というクラスでは、発声・発音の簡単な方法、母音の訓練、軽くジャンップしながらの発声法などをメニューの中に入れました。


実施例

① ウォーキング

まっすぐ前を見て、床の空間がいつも均等になっているように、開いている空間を埋めるように歩きます。他者とぶつからないように。次に、一人が止まると全員が同時に止まります。1人が動き出すと全員歩きます。上手く呼吸が合ってくると、全員止まった状態から、二人だけ歩きます。2人が止まると次の二人が。 (目的:まわりに対する注意力、今時分がどの位置に居るのかのミザンス感覚を養う。自分から動くことの積極性、他者への協調性など)○上のメニューを駆け足で行う


② 背中合わせ

二人1組でしゃがみ、腰を落とし膝を曲げて背中合わせになる。この状態から背中で相手を感じ、立ったり座ったりする。「せーの」とか掛け声をかけるのは厳禁。
(目的:自分を感じる、相手を感じる。体によるコミュニケーション)


③ 和になろう

二人一組で向かい合って立ち、手をとって扇形に後ろにそる。バランスをとりながら、この状態で座ったり立ったりする。掛け声をかけないで、手の感触から相手の気持ちを感じるようにする。腰を床につけてはいけない。 次に3人で、4人で、・・・・・10人でと増やしていく。
(目的:相手や隣、全体の気持ちを感じる。また、相手と手を握ることによって、手の暖かさ、ふれあいによる心の変化を期待。男女の壁が突き崩せれば大成功)


このように、自分を感じ、相手を感じ、相手や周りに気づき、気遣いをするメニューを組み合わせ、相手との関係作り(コミュニケーション)を養っていきます。また、動きまわって疲れたようだと、体を休めての集中力メニューに切り替えます。


カウントダウン・カウントアップ

まるくなって座り、1から10まで大きな声でカウントします。10まで行ったら。逆に1まで下がります。誰が数えてもOKです。一人で続けて1・2とか、カウントしてはいけません。カウントの声が重なったら、1に戻ります。
十分に心身ともにほぐれてくると、言葉と身体表現を伴うメニューへと移ります。


言葉の訓練としては、

「インスピレーション」:あまり考えないで、前の言葉から思いつく言葉を次々に言っていきます。簡単なようでなかなか言葉が出てきません。
「しりとり」:よくあるしりとり遊びです。
「頭取り」:「あ」なら、「あ」の付く言葉を、「か」なら「か」のつく頭の言葉を順に言っていきます。「からす」「かくれんぼ」「かき」「カシミア」・・・・・。


表現するメニューでは、

「身体でしりとり」:輪になって座り、一人ずつ順番に輪の中央に出て、しりとりの言葉を身体で表現します。当てるのは、皆で当てます。 (周りの目にさらされることが重要です)
表現するって思ったよりも簡単で、おもしろいと思ってくれれば大成功です

保谷高校 7月9日実施

対象:3年生全クラス(7クラス、280名)

ドラマケーション実施講師7名・助手3名

午前、午後にかけて少人数(1班、17名~23名)にて実施

午前10:15~11:45 3クラスを7班に分割

午後12:30~14:00 4クラスを7班に分割

午後14:10~15:00 全7クラス個別、演劇コンクールのための指導


学校側要望:Aコース(キャリア教育の一環として、入試の面接や、会社の面接に役立つ自己PR力を高めるドラマケーション)・Bコース(学校行事の演劇コンクールに役立つドラマケーション)を生徒が選択して、受講するようにしたい。(別紙参照)


Bコースの演劇指導

飛鳥高校と同じく、ドラマケーションによる相手との関係作り、表現力のアップ、積極性を引き出すドラマケーションを実施。


Aコースの面接指導

研修時間が90分という短い時間のため、面接の際の姿勢や目線・声の大きさ・はっきりと表情豊かに話すことを重点的に指導。
(自分の考えをハッキリ的確に述べるには、何回かの講習を積み重ねる必要があります)

実施例

会場の中央に椅子を1個置きます。まず最初に参加者全員に一人ずつ、入り口のドアから入って椅子の横に立ち、面接官にお辞儀をして椅子に座り、「はい」の合図で椅子から立ち、お辞儀をして会場から退場するまでを体験してもらいます。他の生徒は、面接官になったつもりで見ていただきます。全員終わったら自分の感じたこと、他の生徒の行為で気づいたことを話し合います。 (歩くときの緊張感・目のやり場に困る・姿勢が悪いとだらしなく見える・お辞儀をどうすればいいかわからない・・・等、いろいろなことを話し合います)
話し合いを通して、挨拶とは、頭を何秒位頭を下げなければならないかという問題ではなく、頭を下げながら「宜しくお願いします」と心の中で念じる、終わったときの挨拶は「どうもありがとうございました」と念じる、これが頭を下げている時間なのだということ等、指導します。
この後、この心と身体の緊張から、如何にすれば自由になれるのか、ドラマケーションによる心ほぐし身体ほぐしの体験へとすすみます。特に、頭で考えたことを言葉にしてからだの外に出すメニューを意図的に組み込みます。

言葉遊び:「インスピレーション」「しりとり」「頭取り」


傾聴・文章構成力:「即興物語」五人ほどでグループを組み、一人ずつ順番に即興のお話の一部を語り、次の人にバトンタッチします。次の人は前の人のストーリーに沿って物語を発展させていきます。最後の人はうまくまとめる責任があります。


言葉を使って表現するメニューは数多くありますが、自分の考えをハッキリと明快に相手に伝えるということは、一朝一夕にできるものではありません。普段から「最近の出来事」など人前で話す機会が必要です。 (ロールプレイによる模擬面接も用意していましたが、時間の都合で実施できませんでした。)

★ 八王子北高校では、生徒のコミュニケーション力を高めるためのドラマケーションが予定されています。